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FerrariがFerrariたる理由、MercedesがMercedesたる理由(その2) [よく考えてみて!!]


FerrariとMercedes、どちらも同じ高級車メーカーだけど、そのビジネス形態は全く違う。

日本ではMercedesは高級ブランドだけど、ドイツ本国ではタクシーにも使われるような車種も扱っている巨大メーカー。

もっとも大きな違いは、そこにある。


Mercedesは、トヨタやニッサンと同様に、高級車から大衆車まで幅広くラインアップを持っていて、生産台数だって、トヨタやGMに比べれば少ないものの、それでも全世界で見ればとんでもない数のBenzが生産されている。

しかも複数ブランド展開もしていて、マイバッハのような超高級ブランドとスマートのような超小型車ブランドも持っている。
歴史だって古いし、ミュージアムとかでヒストリーを公開する事で、Mercedesのブランドイメージを広く浸透させようと頑張ってる。

一見、怖いもの無しのように見えるけれど、あまりもの幅広さ故、かつてのMercedesにあった「高級」というイメージ、そして言葉が陳腐化しているようにも思える。

90年代にはトヨタに負けじとコスト削減に努めたけれど、結局は大失敗して、その後、本物のコスト削減と品質維持を実現してブランドイメージを回復するまでに10年もかかった。

「オーバークオリティ」の言葉も完全に過去のものになった。

今は、再び多種のラインアップで攻勢をかけているけど、結局Mercedesとして、何をどうしたいのかがさっぱり分からない。
4,5年前はデザイン面でBMWのフォロワーとなり、今はモデル展開と販売戦略でAudiのフォロワーになってしまってる。

それに対して、Ferrariはスポーツカー専業で、モデルも4車種しかない。エンジンだってV8が2種類にV12が2種類。年間生産台数だって、今じゃ5000台を超えてるけど、昔は5000台より下に故意に押さえてた。
今、5000台超えたのは、ロシアや中国、インドなどの新興マーケット向けが増えたからであって、だからといって今以上に生産台数を増やす気はない。
もちろん、それには理由があって、無闇に台数を増やして自分たちのブランドバリューを下げるような事にならないよう、あえて供給不足の状態を作っているのだ。
だから、Ferrariをキャッシュで買える富裕層は、目の色を変えてFerrariに飛びつく。

Ferrariが凄いのは従業員の仕事環境の再構築にも熱心な所。

「Project Uomo」によって、従業員が働く環境は劇的に改善。
特に製造現場の改善は著しく、自然光が溢れるクリーンな環境を実現。
プレス向けイベントにも使われるロジスティクスセンターや、超オシャレな社員食堂、関空のターミナルをデザインした建築士、R.ピアノがデザインした風洞など、イタリア国民なら誰もが一度は働いてみたいと言われるまでの素晴らしい設備と環境を作り上げた。

結果として製品品質も著しく向上して、今や「Porscheより壊れない」なんて言われるほど。

さらに、F1でのM.シューマッハとR.ブラウン、J.トッドの黄金コンビが作り上げた数々の輝かしい戦績と相まって、Ferrariで働くほとんどの従業員が、「Ferrari」ブランドにとことん惚れ込む仕組みを実にスマートに作り上げた。

つまり、売る側も買う側も盲目的に熱狂的な信者となる環境が出来上がっている。

そんなFerrariも90年代前半までは、それはそれは酷い経営状態だった。
Fiat傘下で資金的には安心とは言え、製品品質も悪いし、パフォーマンスもいまいち。当時の自動車雑誌ではデビューしたてのNSXの方が圧倒的にパフォーマンスが上なんて書かれてた。

でも、今や上で述べた通り、奇跡的な回復で世界のトップブランドを走り続けてる。

で、ここからが本題。

前にも書いたけど、僕はFerrariを売りたい。

何も実車を売りたいと言ってる訳ではなくて、Ferrariのように自分の最も得意とする分野に集中して、最高の品質で製品を提供したい。
ただ、それだけ。
そのクオリティとコンテンツを本当に欲しているお客様の為だけに、持てるものを全て注ぎ込む。
結果として、他のお客様にそれを羨ましい、あるいは自社にも導入したいと思ってもらえれば、Ferrariと同じ需要過多の状態に持ち込める。

こっちは資金、人材の面で限界があるので、無闇に拡大するんじゃなくて、自分たちが常に最高の品質を提供できるレベルの活動に留めれば、どんな経済状態にあっても、必ず生き残れると踏んだから、僕は「Ferrariを売りたい。」って心に決めたんだ。

ところが、ここにジレンマがある。

それについては、またの機会に。

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